【 シリーズ全般の感想 】

ワトスンの設定がかなり変えられておりますが、納得いかない物ばかりです。
ホームズと親子と見まごうほどの年齢差が有り、結婚しているわけでもないのに221bで同居していそうにないし、嫌煙家だし、何より性格がきつすぎる!
世の禁煙ブームや、同性愛に配慮した変更と思われますが、ヴィクトリア朝の時代と現代を一緒と考える方がおかしいのですから、そんなことには捕らわれず原作通りにして欲しかったです。
ワトスンの性格がきつい点についても、もう熟年と言っていい歳な設定で、あれでは大人げない。あの性格にするのなら、せめてホームズと同年代か、もしくは年下にして欲しかった。
ケニス・ウェルシュは素晴らしくワトスン役がお似合いだと思うのですが、この性格設定で魅力半減です。
2人の関係だけで見れば、変わり者だけど優秀な息子と、それに手を焼きながらも実は自慢で仕方がないパパ、と言う感じで微笑ましくて歳の差コンビもいいなぁと思えるだけに残念。
しかし、新作『ホームズvsヴァンパイア』ではかなり改善が見られますので、今後に期待します。

このシリーズでは美しい衣装や小道具が目を楽しませてくれるのですが、ホームズの衣装は可愛らしすぎて、ちょっと……いい年して坊やちゃんみたいです。やはりホームズの衣装はシンプルが一番。

【 バスカヴィル家の犬 】 The Hound of The Baskervilles
2000/米国/HALLMARK ENTERTAINMENT/日本語字幕・吹き替えDVD/90分

監督:ロドニー・ギブソン 脚本:ジョー・ワイゼンフィールド
ホームズ:マット・フリューワー/ワトスン:ケネス・ウェルッシュ 
ヘンリー・バスカヴィル:ジャソン・ロンドン/ジャック・ステイプルトン:ロビン・ウィルコック/ベリル・ステイプルトン:エマ・キャンベル
【 概要 】
暗い中庭で人待ち顔で立っていたチャールズ・バスカヴィル卿に忍び寄る、静かな気配。チャールズ卿はあわてて逃げ出したが、心臓のあたりを押さえて倒れ込みそのまま亡くなってしまった。

ベーカー街では、ワトスンが忘れ物のステッキについてホームズに推理を述べて、こてんぱにやり込められています。そこにステッキの持ち主のモーティマー医師が現れ、バスカヴィルの古い言い伝えをチャールズ卿が気に病んでいた事、そしてその魔犬を思わせる恐ろしい犬の唸り声を聞いた事をホームズに話し、新しい領主となるヘンリー卿の身について相談を寄せます。
依頼を受け、ホームズがヘンリー卿のホテルを訪ねると、ヘンリー卿に忠告とも警告ともとれる不思議な切り抜きを使った手紙が届きます。その切り抜きを一目でタイムスからの物と見抜きヘンリー卿の信頼を得るホームズ。
ワトスンを同行させ、1人で出歩かないことを了承させます。

グリンペンに着いた翌日、ヘンリー卿とワトスンは散歩中にステイプルトン兄妹と出会い、ヘンリーは妹のベリルにすっかり心を奪われますが、彼女はヘンリーにここを去るよう忠告する。
その夜、ヘンリー卿は窓の外に獰猛な犬の姿を見、ワトスンはバリモアの不振な行動を目にします。
不振な出来事の数々に、ワトスンはホームズの登場を待ち望みます。
【 感想 】
残念なことに原作の見所となるシーンがかなり削られています。特に後半の展開がかなり原作から離れ、何故この台詞を抜いたり変えたりしてしまうんだ! と、やきもきする脚本です。
初めのシーンで、ホームズに朝っぱらからコカインでもキメてるのかというようなハイテンションっぷりで忘れ物のステッキを振り回させるくらいなら、銀のポットにワトスンを写して観察させて下さい。
湿原での再会シーンなんて一番の見所を削るなんて、何を考えているんです。
原作通りにしろとは言いませんが、ここぞ! というツボだけは外さないでいただきたいです。

初めに、モーティマー医師の話しを聞きながら散歩に出るシーンが有るのですが、それで場面に動きが出ますし、散歩中の市場で新聞を買ったりする何気ないシーンでのホームズとワトスンのやりとりで、2人の信頼関係というか、息のあったところが表されているのは良かったです。
やっぱりここのワトスンはホームズのパパだ! と、思ってしまいました。
こんな風によい面での変更ならば大歓迎です。

また、ヘンリー卿が初めはいかにも田舎から出てきた青年の格好から、英国紳士の装いに変わるのが見事です。バリモア夫妻も原作の挿し絵風でいい感じです。ただベリル嬢がちょっとそのー……個性的な美女です。

音楽がよく合っており、景色も衣装もとても美しく、映像作品としては良かったです。蝋燭の明かりに照らし出されるバスカヴィル邸は荘厳で、しかもその蝋燭の明かりで謎が隠されていたりする演出には感心しました。

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【 四つの署名 】 The Sign of Four
2001/HALLMARK ENTERTAINMENT/日本語字幕・吹き替えDVD/88分

監督:ロドニー・ギブソン 脚本:ジョー・ワイゼンフィールド
ホームズ:マット・フリューワー/ワトスン:ケネス・ウェルッシュ 
メアリー・モースタン:ソフィ・ロレイン/サディアス(バーソロミュー):マルセル・ジーンニン/ウィギンス:ダニエル・ブローチュ/ハドスン夫人:キャサリン・マルフィ/ジョーンズ警部:ミッチェル・ペーロン
【 概要 】
内戦の絶えないインドで、王家の財宝を守ろうとイギリス軍の駐留する神殿にショルトー大尉を訪れた王の弟は、財宝に目が眩んだスモール少佐とその3人の仲間に殺され、財宝を奪われます。4人は後に財宝を山分けしようと血判を押した署名を作るが、そのもくろみはショルトー大尉に見抜かれてしまった。

――それから何年か後のロンドンでは、事件が無く退屈しきっているホームズの元に、メアリー・モースタンが相談に訪れます。
父のモースタン大尉が失踪し、その後彼女の元に毎年見事な真珠が送られるようになり、今日になってその送り主から会いたいという手紙が来たとのこと。ホームズとワトスンは彼女に同行して謎の人物の元へ向かいます。

謎の人物は、ショルトー大尉の息子サディアスで、父がモースタン大尉に渡すはずの分の財宝も独り占めしたことの償いとして、メアリーにその財宝の半分を渡すよう遺言したことを伝えます。しかし、双子の兄のバーソロミューは強欲で、財宝を渡すことを拒んでいることから、一緒に兄を説得して欲しいとサディアスはメアリー達に頼みます。

しかし館に着いてみると、バーソロミューは毒矢によって殺されていました。
ホームズは外部からの侵入者の犯行と推理しますが、ホームズに敵対心を抱くジョーンズ警部は、サディアスを逮捕。サディアスの無実を訴えて憤慨するメアリー。
サディアスの誠実な人柄にメアリーは好意を持っていたのだが、ホームズはその好意は財産目当てのものではないかと疑い、彼女を信じるワトスンと口論となる。

バーソロミューはスモール少佐から脅迫をされており、クレオソートでスモールの相棒のトンガの持つ毒矢の解毒剤を作る研究していたが、薬を完成させる間もなく殺されたと推理したホームズは、毒矢の対策として薬の完成を検死官のモーガン教授に依頼する。
そして、トーピーとイレギュラーズの協力でスモール少佐の足取りを追います。

【 感想 】
前作のバスガヴィルでも思ったのですが、このシリーズはハラハラドキドキすると言うより、チクチクギスギスする事が多いです。

映像化に当たって変更した方が良くなる点はした方がいいと思いますが、このシリーズの設定の変更は本当に納得がいかない。
メアリーはサディアスが逮捕されたことでホームズにくってかかり、ワトスンはメアリーが財産目当てでサディアスに取り入ろうとしていると言うホームズと大喧嘩。ジョーンズ警部はホームズを出し抜こうと無茶をして怪我人を出す始末。
話を盛り上げようとして、派手で手軽な設定を詰め込んで結局台無しにしています。

ただ、ホームズが警察の検死官と懇意で、解毒剤を作ろうとするという設定は無理があるけど面白いと思いました。
ワトスンが怪我をして『3人ガリデブ』風になるシーンがあり、喜んだのもつかの間、重体のワトスンを置いてけぼりで犯人と暢気に話しているホームズにげんなり。やはりここの脚本家さんはツボを外す天才だと思いました。

予算不足のせいか、テムズ川での大追跡が川縁での銃撃戦に変更され、モースタン大尉が亡くなった経緯やトンガとスモールの出会いなどが、言葉による説明だけになっていました。

ここでもワトスンのロマンスは無し。このシリーズでは2人は同居していないようですから、結婚させても不都合はなさそうだったのに。
で、次回作からは新婚家庭に押し掛けたり電報打ったりと、夜討ち朝駆けでワトスンを引っぱり出すホームズ! なんてのが見たかったなぁ。
メアリーは途中から父親の生死よりも、サディアスのことばかり気にかけていて感じが悪いので、ワトスンとくっつかなくて幸いだったのですが。

メアリー嬢はキャリアウーマン風のしっかりしたお嬢さんと言う感じで、あまり保護欲を駆り立てられるような雰囲気ではなかったので、ワトスンがどうしてあんなに気にかけるのか理解できませんでした。
ここのメアリーは私のイメージとしては、しっかり者のヴァイオレット・ハンター嬢という感じでした。
サディアスはちょっと世間知らずそうですが、誠実で可愛い感じの人でしたので、幸せになってくれて嬉しい。
それから、何故かトンガが東洋系の少年で変な感じでした。

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【 ボヘミアの醜聞 】 The Royal Scandal
2001/米国/HALLMARK ENTERTAINMENT/カラー/日本語字幕・吹き替えDVD/88分

監督:ロドニー・ギブソン 脚本:ジョー・ワイゼンフィールド
ホームズ:マット・フリューワー/ワトスン:ケネス・ウェルッシュ 
アイリーン・アドラー:リリアナ・コモロウスカ/ジョーンズ警部:ミッチェル・ペーロン/レストレード警部:ジュリアン・カーセイ
【 概要 】
ホームズの元に謎めいたドイツ人が訪ねてきたが、それは変装して身分を隠したドイツの皇太子だった。
皇太子はアイリーンというオペラ歌手と関係を持ったが、彼女は閨での情事の写真を隠し撮りさせていたため、その写真を取り返して欲しいという依頼だった。

依頼人の身分は高いが、内容は低俗な依頼をホームズが受けた理由は、以前アイリーンの歌声と美しさに惑わされて彼女の犯罪に気づかず、あまつさえその片棒を知らぬ間に担がされたという過去から、彼女が巧妙な犯罪者であることを知っており、その彼女が関わっているからには陰にもっと重要な事件が隠されていると踏んだからだった。

そんなホームズの元を政府の諜報部員の兄のマイクロフトが訪れ、皇太子の依頼について尋ねてきた。極秘のはずの皇太子の訪英は、英国政府にばれていたのだ。そして、マイクロフトも皇太子が来たのは単純な色事の問題ではなく、ドイツ政府が何かたくらんでいると見ていた。

事実、アイリーンは写真を使って皇太子をただ強請っているのではなく、何か他の取引をしている事を掴む。
アイリーンはイギリスの最新潜水艦の設計図をドイツ側に売り渡していたのだ。

ホームズは問題の写真を首尾良く取り戻したが、写真はそこからさらに盗み出される。
そして、アイリーンに設計書を渡していた海軍の事務官が列車から転落死した。しかし、遺体は転落死したものではないと判明する。

ホームズはこの事件の裏に、独政府だけでなく他の何者かが関わっていると気づく。

【 感想 】
――このシリーズの目指す先が見えないです。
時代を反映して話が原作から離れても、それで面白くなるならかまわないのですが、つまらくするのは勘弁して下さい。回を重ねるごとに原作から離れ、その分つまらなくなっていっています。

今回邦題は『ボヘミアの醜聞』ですが、原題は『A Scandal in Bohemia』ではなく『The Royal Scandal』。中身はボヘミアの醜聞とブルースパーティントン設計書の話が混じったような話です。
骨子はビリー・ワイルダー監督の『シャーロック・ホームズの冒険』と、ちょっと似てます。
似たような話ですが、こちらはごちゃごちゃしていて解りづらいです。概要をどう書けばいいのか困りました。
というか、話がつまらないので途中で寝ちゃったり、手近な本に手が伸びちゃってなかなか通しで最後まで観られませんでした。
まじめに観ても矛盾だらけで突っ込みどころ満載なのですが、あまりのつまらなさに気力が削がれてるので突っ込む元気も出ません。

と、言いつつ気力を振り絞って突っ込み感想トーク行きます。
原作の描写を全く無視した配役は相変わらず健在です。
美人とは言い難い上に品のないアイリーン。細身でホームズと全く似ていないマイクロフト。貧相なドイツ皇太子……と、見た目だけでも凄い破壊力です。が、中身はもっと凄いです。

マイクロフトは本来の意味での確信犯で、ひっじょーに嫌な人間になり果てています。国のためなら部下も弟もどうなってもいいんですか。そうですか。
アイリーンも強請に恐喝にスパイ行為まで働く何でも有りの天才的犯罪者という設定ですが、実体は変装もろくに出来ず、色仕掛けしか能がない。
そして、そんなアイリーンにメロメロな色ボケしたホームズ。
アイリーンとマイクロフトと、禁欲的なホームズが好みな方は、この作品を見ないことをお薦めします。
ドイツ皇太子も、あんな写真を撮った相手に仕事を頼むなんて、気は確かですか? と尋ねたくなるほどのバカなので、ドイツの方も見ない方がいいでしょう。


この作品は、労働者に変装してまで頑張るワトスンの勇姿が唯一の心の慰めです。
あ、ホームズの恋路を影ながら支えようとするハドスン夫人もいい人でした。
そして、新任警部としてレストレードも出てきます。ちょっとしか出番はないですが、まだ若くてホームズに協力的なので、次回作の活躍に期待です。

――頑張って誉められる箇所を探そうと何回も観てみたんですが、このくらいしか誉められる箇所は無かったです。トホー。

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【 シャーロック・ホームズvsヴァンパイア 】 The Case of The Whitechapel Vampire
2002/米国/HALLMARK ENTERTAINMENT/カラー/日本語字幕・吹き替えDVD/88分

監督・脚本:ロドニー・ギブソン
ホームズ:マット・フリューワー/ワトスン:ケネス・ウェルッシュ
マーストーク修道士:ショーン・ローレンス/チャガス博士:ネヴィル・エドワーズ/レストレード警部:ジュリアン・カーセイ
【 概要 】
ホワイトチャペルの修道院で、シンクレア修道士が心不全で亡くなった。
警察は事件性はないと判断したが、遺体の首筋には吸血鬼に咬まれたような不思議な傷跡が残されていた事から、世間では吸血鬼の仕業だと噂が広まっていた。
そして以前、アマゾンのギアナで布教活動をしていた際にも、同じような死に方をした修道士達がいたことから、修道院のマーストーク修道士はホームズに捜査を依頼する。


修道士達がギアナに伝道に赴いた当時、ギアナに狂犬病と思われる伝染病が蔓延した。
修道士達は病気を媒介していると思われる吸血コウモリの駆除をおこなったが、病気の蔓延は治まらず、さらに吸血鬼のような者に襲われて修道士が亡くなった事を、現地の信者達はデズモド(吸血鬼の姿をした現地の神)の呪いと恐れ、伝道所に寄りつかなくなったことからギアナの伝道所は閉鎖され、巡礼の旅に出たマーストーク以外の修道士達はホワイトチャペルへと戻った。
その後しばらく修道院は平穏だったが、マーストーク修道士が戻ったとたん、彼の寝室にコウモリの死体と血文字が残され、さらにシンクレア修道士の事件が起こったのだった。

今回もギアナでも、遺体の側には“命をもって罪を償え”という主旨の血文字が書かれていた事から、同一犯の犯行と見たホームズは、修道院の内部の者の犯行を疑い警戒を促すが、修道士達は犯行は悪魔の仕業と信じ込み、神への信仰で立ち向かうと、ホームズの助言を聞き入れない。

ホームズは手がかりを求めてマーストーク修道士のギアナ滞在時からの友人で、吸血コウモリの研究をしているチャガス博士を訪ねる。
博士は異国人で、さらに吸血コウモリを研究している事から周りから吸血鬼と人間の間の子“ダンピーロ”と呼ばれ、この事件の犯人と噂されている人物だった。
その頃、ホワイトチャペルへと伝道に向かった盲目のシスター・ヘレンと、ジョン修道士が謎の男に襲われ、ジョン修道士が亡くなった。
ホームズはチャガス博士の無実を訴えるが、ジョーンズ警部は博士を犯人と決めつける。
それに対してチャガス博士は弁明もせずに姿をくらまし、捜査は迷走する。

【 感想 】
今回は脚本も監督さんが手掛けています。ようやく今までの脚本家さんがツボ外しの天才だと気づいて下さったんですね! 今後も是非彼以外の脚本でお願いしたいです。
さらに今回はコナンドイル“原作”ではなく“原案”になっており、パッケージの解説によると、「コナン・ドイルの未刊のアイデアを元に制作した」のだそうで、正典の『サセックスの吸血鬼』とも全く別な話です。

話は正典から離れますが、靴に泥が付いているから外出したと推理するとか、コナン・ドイル著の『失われた世界』の舞台のギアナで第一の事件が起こっていたりと、小ネタが散りばめられていて面白いです。
色々と複線やミスリードも用意されていますが、こじつけや矛盾が多々あって突っ込みどころはあります。
被害者の死因が全員ショック死って、みんなどんだけチキンハートなんですか。
さらに犯人の動機が些細すぎて腰砕けします。あんな理由で殺人が起こるなら、スコットランドヤードは毎日てんてこ舞いですよ。
同じように修道院を舞台にした『薔薇の名前』の動機も「そんなのありか!」な理由でしたが、それ以下です。
※『薔薇の名前』は、動機は何ですが、人物描写や映像美などは素晴らしい名作です。探偵役とその助手はホームズとワトスンをモデルにしたと言われています。探偵役の呼び名からして“バスカヴィルのウィリアム”ですもんね。1986年に映画が制作され、探偵役の修道士を演じたのはショーン・コネリーです。


キャラクター設定については、シリーズ当初の性格のきついワトスンは不人気だったのか、ホームズが言葉遊び程度の問題に正解したくらいで天才扱いする可愛い性格になっております。
前作でも検死について詳しい意見を述べたりしていましたが、今回もなかなか物知りなところを披露してくれたりして、ワトスンファンへのサービスが多いのが個人的に嬉しかったです。
さらにホームズがパイプをくわえるシーンはある物の、喫煙するには至りません。故にワトスンが嫌煙家というシーンもありません。
気になっていた部分が徐々に改善されてきていて嬉しいです。
前回から登場したレストレードが今回も登場! 活躍を期待したのですがちょい役で残念でした。引き続き、次作での活躍を期待します。

前回の『ボヘミアの醜聞』の悲惨さから、このシリーズの行く末が凄く心配だったのですが、今回のように正典のネタを散りばめたオリジナルストーリーで行ってくれるなら安心です。というか、正典通りでもあの脚本家さんじゃなければ大丈夫な気がしてきました。
今後の作品が楽しみです。


ところで、この話はクリスマスシーズンの事件という事になっているんですが、クリスマスを感じさせるシーンは取って付けたようにほんのちょびっと。
わざわざ不自然にあんなシーンを入れたのは、米国での放送時期がクリスマスだったからなのでしょうか? 
リチャード・ロクスバーグのバスカヴィルの獣犬も、クリスマスシーズンの話に変えられていましたよね。やっぱりキリスト教権の人達にとってクリスマスシーズンというのは特別なんでしょうかね。
しかし、クリスマスシーズン物の傑作といえば、なんといってもグラナダ版の『青い紅玉』ですね。
クリスマスシーズンには必ず見てしまいます。
BBCのピーター・カッシングのも、グラナダ版ほどの雰囲気はありませんが、ワトスンにプレゼントを貰ってご機嫌のホームズが非常に可愛いのでお気に入りです。英語版DVDしか出ていませんが、是非是非見ていただきたい作品です。
ピーター・カッシング格好可愛い〜。

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